【クリプト先進国の現状】マルタ共和国、スイス、エストニアの取り組み。

お勉強。基礎知識

こんにちは。ちゃまやで。

今日は少し世界に目を向けて、『クリプト(仮想通貨)先進国』と呼ばれる国々の現状はどうなっているのかを調べてみました。

日本での仮想通貨のイメージは?

我々の住む日本では、
自民党が参院選公約にWeb3の国家戦略を明記して話題になりましたが、

マス層の『仮想通貨』への印象といえば

  • 怖い
  • 怪しい
  • ギャンブル

のイメージの枠から抜け出せてないのではないでしょうか。

🔻下は図は日本とアメリカに拠点を持つ仮想通貨取引所bitFlyerのイメージ調査になります

日本では78%の人がネガティブに捉えているのに対して、
アメリカでは76%の人がポジティブに捉えています。真逆なのが面白いですよね。

自分の周りを見てみても『仮想通貨』というワードを口に出すだけでも人を選ばなければならない程で、相手によっては、
『ギャンブルにハマった可哀想な人』なんて見方をされる恐れもあります。
(自分の周りだけかな?笑)

そんな日本にいると仮想通貨はまだまだ現実の世界では使えない、マイナーな分野の話ですが、

世界では、仮想通貨、ブロックチェーンを使った新しい仕組みが『国家主導』のもとに『新しい取り組み』として動き出しています。

この記事では

クリプト(仮想通貨)先進国と言われる

  • マルタ共和国
  • スイス
  • エストニア

以上を例に、

  • 国の特徴
  • 面白い取り組み


以上を解説していきます

バイナンスの本拠地、マルタ共和国

基本情報

  • 正式名称:マルタ共和国 
  • 首都:バレッタ
  • 人口:約43.3万人
  • 面積:約316km²
  • 人種・民族:マルタ人(北アフリカ系、中近東系、ヨーロッパ系)
  • 宗教:キリスト教(カトリック)、その他
  • 言語:マルタ語、英語
  • 通貨:ユーロ

地理

🔺マルタは地中海に浮かぶ島で、シチリア島と北アフリカ沿岸の間に位置します。

特徴

マルタは「ブロックチェーンの島」を目指すことを目標に掲げている国です

世界大手の仮想通貨取引所であるバイナンスは、2018年はじめに本拠地をマルタに移し、
マルタ共和国に好感を持って受け入れられました。

マルタはブロックチェーン技術に対して理解も深く規制も緩いという特徴があります

マルタ共和国のマスカット首相は『ブロックチェーン業界に同国が果たし得る役割について、大きな期待を持っていると』ツイッターに投稿し、

国家主導で『「ブロックチェーンの島』を目指していることが伺えます。

また、「我々はブロックチェーンによって世界的なフィンテック企業の選択、クオリティの管轄に関する第一人者になろうとしている」

とも語ってます。

マルタ共和国

🔺上がマルタです。この世の楽園ですか?笑

面白い取り組み

マルタ共和国の仮想通貨、ブロックチェーンを使った新しい取り組みをいくつか紹介します

世界初の非中央集権型銀行の計画が進行中?

非中央集権型銀行とは
コミュニティーをベースにした銀行で、ファウンダーズ・バンク(Founders Bank)と呼ばれています

ファウンダーズ・バンク(Founders Bank)は、特定の国、企業、団体に依存しない誰もがオーナーになれる分散型の銀行で、

この辺りはDeFi(ディーファイ)を経験したことがある人なイメージできると思うのですが…

簡単に言ってしまえばブロックチェーンを使った『みんなで管理し合う銀行』でトークンを使った株式を購入した人なら誰でも、銀行のオーナーとなることができるという新しい仕組みです。

バイナンスは、この『コミュニティーをベースにした新しい銀行の計画』にマルタ政府からの支援を受け、5%を出資しています。

しかし、マルタはEUに加入している為、今は色々と、解決すべき規制上の問題があるのも事実です。

ビットコインATM

スタートアップ企業Moon Zebraがマルタ島にオフィスを構え、仮想通貨ATMの利用を開始しました。今後、仮想通貨の需要の高まりによって、取り扱えるアルトコインの種類も増やしていくとのことです

マルタに限らず世界では4万台以上の「仮想通貨ATM」が存在し、その95%は米国とカナダに設置されています

ビットコインATMはブロックチェーン技術による技術革新ではないかもしれませんが、
マス層からの興味、関心によりビットコイン利用者を増やす重要な方法の1つと言えるでしょう

画像を見る限りアナログで可愛くて、逆にインパクトありますよね。

日本では
まず仮想通貨決済を導入する店舗が増えない限り、ビットコインATMが導入されることはあり得ませんし、その前にキャッシュレス化すら進んでない状況です。

さらに日本では法整備と税金の問題もあり、街中でビットコインATMを見る日はいつになるやら。

世界各国でこのような動きが進めば進むほど、仮想通貨の利用がより現実味を帯びてきますね。

タックスヘブン(税金天国)

マルタ共和国は経済発展のために海外の企業や投資家たちを誘致しやすい環境を整えています

誘致しやすい環境とは
少ない税率、もしくは税金をかけないことです。

例えば法人税をみても一目瞭然で、
法人収益に関する税率が、マルタでは5%もしくはそれ以下で済みます。
本来は35%と定めた税制ですが、税金の還付制度などの『からくり』を駆使することによって5%ほどで済むわけです。

そして元々、観光地でもあり

  • 海がキレイ
  • カジノもある

この辺りもマルタが海外企業から好まれる理由ですね

クリプトバレー、スイスのツーク市

基本情報

  • 正式名称:スイス連邦
  • 首都:ベルン
  • 人口:863.7万
  • 面積:41,280 km²
  • 人種:主としてゲルマン民族
  • 宗教:キリスト教(カトリックが多い)
  • 言語:ドイツ語、フランス語、イタリア語など
  • 通貨:スイスフラン

地理

🔺イタリア、フランス、ドイツに面した国です。
改めて地図を見るとこんなところにあったんですね。もっと上の方のイメージです(主感)

ツーク市は世界的な金融都市チューリヒの南に位置しています。

特徴

スイス、ツーク市はクリプトバレーと、呼ばれているほど。
クリプト業界では知らぬ人はいないEthereum(イーサリアム)の本拠地となっています

  • Ethereum
  • ShapeShift
  • Xapo
  • Tezos

などが拠点を構えています。

ツーク市はいきなりクリプトバレーと呼ばれるようになったわけではなく、低い税率を設定し、戦略的に国際的な大企業を呼び込むことに成功しました。

仮想通貨ビジネスに特殊なライセンスは必要なく、地域のクリプトへの理解、関心も深く世界中からクリプトビジネスを呼び込んでいるところが特徴と言えます。

スイス、ツーク

面白い取り組み

スイスの仮想通貨、ブロックチェーンを使った新しい取り組みをいくつか紹介します

仮想通貨で納税できる

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)で税金を支払うことが可能です

利用できる上限は10万スイスフラン(約1167万円)までで、法人だけでなく個人でもでも2021年2月から納税に利用できるようになりました。

ツーク市の責任者は、「BTCやETHで税金を支払われても、スイスフランで受け取る時と同様に、我々には全くリスクはない」と語っており、クリプトへの理解が凄すぎます。

スイスでは経済大臣も「クリプトネーションスイス」を推奨するなど、仮想通貨・ブロックチェーンにかなり前向きな国なのです。

ステーブルコインで買い物?

スイス最大級のショッピングサイトGalaxusがスイスフランに1:1でペグされた
ステーブルコイン(DCHF)による決済導入を発表し話題になりました。

現在はステーブルコインによる決済テストにも成功。プラットフォームへの実導入を計画している段階となっています
ビットコインやイーサリアムだけでなく、ステーブルコイン決済の導入計画など世界でも一歩進んだ取り組みを行なっています。

独自規制

スイスはEU加盟国ではない為、良い意味で独自の規制を展開できており、他のヨーロッパの国々と比較して法人税が低いことからベンチャーを立ち上げやすいというメリットがあります。

また、スイスは社会の仕組み、エコシステムが非常に洗練された国で、
世界最高ランクの労働環境が整っており、最先端のテクノロジーに明るい国ですので
自然とブロックチェーン企業が集まる国として立ち位置を確立させていったのです

よく、幸福度ランキングなどでトップに上がる国ですよね。スイスは。

IT先進国、エストニア

基本情報

  • 正式名称:エストニア共和国
  • 首都:タリン(人口約44万人)
  • 人口:約132万人
  • 面積:4万5227km2(北海道の約60%)
  • 人種:フィン・ウゴル系、ロシア、ウクライナ
  • 宗教:キリスト教。ほとんどがプロテスタント
  • 言語:エストニア語、ロシア語など
  • 通貨:ユーロ

地理

🔺バルト三国では最も北に位置し、南は同じバルト三国であるラトビアと、東はロシア連邦と国境を接すし、北はフィンランドと、西はスウェーデンと向き合う国です。

特徴

エストニア共和国は世界的なブロックチェーン先進国です。
ブロックチェーンに限らず世界一のIT先進国なんて言われていたりもします

国家主導でブロックチェーン技術を活用しており、世界から熱視線を向けられている国で、
住民票管理や医療など、技術の応用分野は多岐にわたり、
仮想通貨の導入に向けた動きはもちろん、ブロックチェーン技術を世界に先駆けて社会インフラに応用しているのは現段階ではエストニアくらいではないでしょうか?

驚くのは、エストニアでは、「20~30分でオンラインだけで会社を設立でき、数回のクリックで税金を支払うことができるといいます。

エストニア

面白い取り組み

エストニアの仮想通貨、ブロックチェーンを使った新しい取り組みをいくつか紹介します

「ブロックチェーン」による電子カルテの実用化

エストニアのすべての国民はID番号を付与されており、個人情報と紐付いています

そういった情報がブロックチェーンで管理され、履歴となっている為、例えば病院を変更した患者は1から治療履歴を説明する必要がありません

日本では初診の際に過去に患った病気やアレルギー反応を記入しなければなりませんが、自分の幼少期の病歴をはっきりと把握していない人も少なく、全て自己申告になりますよね。

ブロックチェーンの情報によって医師は、患者の症状の履歴を瞬時に判断することができスムーズに対応することができるのです

また、日本の『お薬手帳』みたいなアナログなものも必要なくなります。

ブロックチェーンではいつ、どのような薬を投与されたかが一目瞭然ですよね。

更に「誰に」「どこまで」情報開示するのかをユーザー側が自由に決められることもあり、『プライバシー』の面からも理にかなっています

国政選挙で電子投票できる国

選挙の投票は、定められた期間内に有権者が投票可能で、かつ投票結果に不正や改ざんがあってはなりません。
これはまさにブロックチェーンの得意分野でここで『分散型で障害に強い』『改ざんが限りなく不可能に近い』という特性と非常にマッチします。

先にも述べとおり、エストニアでは国民一人一人に電子化されたIDカードが発行され、個人情報と紐付いてブロックチェーンで管理されています

その情報は行政機関だけでなく国民も相互参照可能で、個人の情報をオンラインで確認できるようになりました。

エストニアのIDカードを使った政策は日本のマイナンバーカードとは比べ物にならないほど洗練されていて、こういった効率化された政策によって、
いち早く選挙に電子投票の制度を採り入れ、自宅から簡単に投票できるシステムを作り上げたのです。

この先進的な仕組みに今後さらに
ブロックチェーンやスマートコントラクト、NFT技術が複合的に絡み合ってくることで 、
トラストレスな(もはや疑う必要もない)、不正のない様々なシステムを作り上げることや、データの安全性を担保することが可能にってきています。

e-レジデンシー(電子居住

e-レジテンシーは『バーチャル住民票』と言い換えることもできます

2014年12月、海外からの投資や企業誘致を促進するためにこの制度が作られました

実際にエストニアに住む権利は与えられませんが、海外からのオンライン手続きでエストニアに会社を設立できたり、納税もすることができるのです

例えば日本にいながらエストニアに会社を設立したい場合、
駐日エストニア共和国大使館で『e-Residency』を取得することで現地で手続きすることなく会社を作ることが可能になりました。

更に『e-Residency』保有者に対してエストコインと呼ばれる仮想通貨を発行して、行政サービスや民間企業への支払いに活用することができます。

このような国家が仮想通貨を発行する流れは世界各国に波及しています。

まとめ

いかがだったでしょうか。
マルタ共和国、スイス、エストニア。

クリプト先進国3つを紹介しました。

記事冒頭で日本人の78%が仮想通貨にネガティブという調査をお見せしました。

怖い、怪しいはずの仮想通貨が、その根幹技術であるブロックチェーン、スマートコントラクトによって、かつてないスピードで世界の仕組みを変革しようとしています。

技術は使いよう。
包丁を武器として使うのか料理に使うのか…
原子力を爆弾に使うのか、発電に使うのか…

表のニュースでは仮想通貨の投資、投機の面ばかりが取り沙汰されていますが、裏の技術に目を向けると『インターネットの登場』と同等、もしくはそれ以上のインパクトに気づけるはず。

『知らない=怖い』ではもったいない!
是非、少額でも実際に仮想通貨を買って
『送金』『分散型アプリ』や『NFT』などを『体験』してみてください。

コインチェック

コインチェック

bitFlyer

bitFlyer

コメント